40代高齢出産の後悔は「自分の命の短さ」メリットはたった2つ、綺麗事なしの現実

40代高齢出産の立場から、高齢出産の本当のデメリットをお話しします。障がいや体力や容姿…そんな事がどうでもよく感じるほどの真のデメリットは「自分の命の短さ」なのです。
私が息子を産んだのは40歳ちょうど。
高齢出産どころか超高齢出産のハイリスク妊婦でした。
普通の産科クリニックでは受け入れてもらえず、その時住んでいたエリアでたった1つの総合病院しか受け入れてくれる産科がないほど、およそ想像していたマタニティライフとかけ離れた現実。
息子の出産後2人目を考えましたが結局出来なかったので、きっと息子を出産した時点で結構ギリッギリだったのだと思うんです。
子供を産む事が出来て、例えようのない充実感があり、それまで殺伐としていた私の人生に訪れた最大の幸福だと実感しています。
が!!
しかし!!!!!
高齢出産が当たり前になった今だからこそ言います。
高齢出産を平然と綺麗なもののように語り、さもメリットだらけのように語るマスメディアに異議あり〜〜〜!!
ぶっちゃけ高齢出産のメリットなんて2つしかないですよ。
高齢ママだから子育てがキツイとか、周りのお母さんについていけないとか、そういうんじゃないです。そんな浅い感じじゃないです。
そういう事ではない、もっと深いところ。
差別だとか権利だとか言う以前に、高齢出産をした私だからこそ感じる事があります。
子どもが大切だからこそ思う事があります。
私は、もっと早く産めば良かったと後悔しています。

もともと赤ちゃん・子どもが苦手、だらしがなく飽きっぽい、半世紀生きて何も誇れるものがない、どう考えても「母」に向いていない自分を反面教師にして子育て中です。⇒ 私の育児の体験談・悩み
高齢出産のメリットはたった2つ。経験者談
高齢出産にさも多くのメリットがあるように書かれている記事がありますけど、実際2つしかありません。
それは、
- 経済的余裕
- 精神的余裕
この2つ。これだけです。
高齢出産のメリット①親に経済的なゆとりがある
高齢出産最大のメリットでしょうね。
比較的、親に経済的なゆとりがあるケースが多い。
もちろんその限りでない方もいらっしゃるとは思いますけど、普通で行けば40代ぐらいって人生の中で収入のピークに到達する頃でもありますしね。
私自身、過去を振り返ってみても、20代の頃ってお金がなくてヒーヒー言ってました。
それは収入が上がり切る前という理由だけでなく、若い頃は色々な事に興味がある頃だし、自分を着飾る事に力を注ぐ年齢だということ。
ようやく親元を離れ『自分だけのために』生きたい年頃でもありますよね。
収入がまだ平均的に低いという事もありますが、あればあっただけ使いたくなる。オシャレもしたいし、あのバッグも持ちたい。旅行だってしたいし、はやりのスイーツも食べたいじゃないですか。
しかもまだ先の長い将来についてより、今現在の興味にお金を遣いたい、そんな時期ですよ20代って。
30代40代と歳を重ねるごとに、普通で行けば収入は増えて行きます。
若い頃からしっかりと貯蓄をしていた人は歳を重ねるごとに貯蓄は増えて行くし、私のように若い頃考えなしに稼ぐだけ稼いで遊びほうけた人間も、それなりに年齢に応じた収入になっていき、夫が同年代だった場合も同様。
だから高齢出産は経済的余裕があるケースが多い。
周りの高齢ママでめっちゃ生活苦しそうな人いないでしょ?
高齢出産のメリット②親に精神的ゆとりがある
高齢出産のメリット2つ目は、精神的なゆとりです。
20代などの若い頃に、もう十分すぎるほど自分の生きたいように自分のためだけに生きてきたので、「自分のために時間を使う」「自分のために稼ぐ」といった自己実現には飽き飽きしている状態なんですよね。
私の場合は特に、自分のしたい事だけをして生きてきて、そして子供をもうけました。
その存在が、今まで手に入れてきた物全てを無価値に見せるほど尊いという事を、初めて身をもって知ります。
高級な持ち物も、若く保とうとした外見も、ステイタスや何から何までひっくるめて、子供の前ではかすんで見えるんです。
こんなにかけがえのない大切な物があるという事を、アラフォーにして初めて知るのですよ。
だから子育てをしていて『私はこんなに我慢しているのに!』という不満があまり沸かない。
『私だって自分の好きなことをしたいのに!』
『ママである前に私は私!』
…といった類の感情もあまりない。
着飾る事もおしゃれなランチも、全部若い頃にやりつくしましたしね。
私は着飾って若いふりをしてハイヒールを履いていた頃、言い方悪いですが…髪を振り乱して子供を追いかけまわしているお母さんが、ちょっと羨ましくもありました。
私は1度は子供を持てない人生を想定した身なので、こちら側の人がめっちゃ輝いて見えていたんです。
だって、絶対に必要とされているんですよ?お母さんていう人は。
当時の私なんてね、私を好きでいてくれる人が何人いたって、それはあくまでも好きなだけであって、私自身を絶対に必要としているわけじゃないんですよね。
いつだって居なくなれるし、いつだって相手を変えられる。
それは私自身も同様。
本当の意味で『絶対に失いたくない』人などいませんでした。
そんな孤独感を常に感じていた訳なのです。
子どもを産んだら、そんな孤独を感じていた自分ではなくなって、変な話なんだけど自分に凄く自信が産まれたのですね。
もちろん、その時々で子に手を焼いて感情的になる事もあるけれど、自分自身の事はやり尽くしてきたから精神的余裕があるんです。(その分、気持ちを注ぎすぎてしまうというデメリットもある諸刃の剣ですけど)
経験者が語る、高齢出産のデメリットと現実
高齢出産のデメリットというとハンディキャップのある子供が産まれる確率が上がるとか、そういう情報は沢山ありますので、今回はその辺は割愛します。
ここからは私が実際に子育てをしていく中で感じた高齢出産のデメリットです。
これに当てはまる人ばかりではないけれど、今産むか後で産むか悩んでいる方にぜひ目を通して欲しいです。
高齢出産は産後のリカバリーに時間が掛かる
誰なの?
「お母さんの体調が戻るまで数ヶ月から半年ほどかかります」
とか言った人…
高齢出産はね、回復まで半年どころじゃありません。少なくとも1年は引きずりますよ。
免疫力も低下してくる年齢だし、回復力も若い頃より遅い。
傷の治り、遅くないですか?
出産は満身創痍です。傷の治りが遅ければ回復だって遅い。
それどころか、体質自体ガラリと変わってしまうケースもあります。
若い人でも体質が変わりがちな出産ですが、高齢出産ともなると本来もう少し後で出てきても良さそうな身体の不調が前倒しで来ちゃったりね。
私は産後、明らかに風邪を引きやすくなりました。
これが子どもが幼稚園に入園後なら、子どもがもらってきたモノが移ったのかな〜なんて思えますけど、そうじゃなくて家に引きこもりがちだった頃からですからね…
腰痛は子育て由来なのか年齢由来なのかもはや判断つかない状態。
どこも痛くない状態で朝目覚める事がまずないです。
子育て期と更年期が重なる事も
そうそう、場合によっては子育てまっさなかに更年期が重なる事もあるでしょう。
更年期障害ってホルモンのバランスなので、自分ではどうしようもないし、体調を崩す事もあれば、体調を崩さないものの感情の浮き沈みに悩まされることもあります。
ただでさえ大変な子育て時期にダブルパンチで更年期がやってきたら…そりゃもう大変でしょ…
高齢出産は祖父母の手を借りる事が難しい
これはご家庭によって違うとは思うのですが。
我が家の場合、義父は息子が産まれる5年前に亡くなっています。
唯一息子にとっての祖父だった私の父も、息子が生後4ヶ月の時に肺癌で亡くなりました。
私が出産した頃、父は余命数ヶ月の状態で気休めの抗がん剤治療の真っ最中だったんです。
それもあって、私は里帰りをする事も、母に頼る事もなく産褥期を過ごしました。
仮に父が病気でなく健康であったとしても、当時の両親の年齢は既に60代半ばを超えており、自分の親世代がそもそも金銭的にも体力的にも援助を見込むのが難しい世代になってきますよね。
もちろん、子どもの祖父母の援助ありきで子育てを考えるのは甘いかも知れません。
でも実際、今は高齢で現役の方が増えているので「シックスポケット(6つの財布)」なんていう言葉があるぐらいですから。
祖父母が孫のために教育費を出す、習い事の負担をする、1人の子どもを6つの財布で育てる時代なんですって。
まぁ我が家の場合…シックスどころか…たった1つのワンポケットですよ…
高齢出産の場合、何かの時に頼れる親はいません。
そもそも子どもの祖父母が他界しているケースも
親が40代だとその親は60代70代が多いですよね。
中にはもう亡くなる人も出始める年代。
息子の場合、祖父が2人ともいません。
写真すら、私の父が亡くなる前に撮ったほんの数枚しかありません。
普段は特に何か感じることはありませんが、時々息子に言われることがあるんですよね。
「ボクも、おじいちゃんと遊びたかった」って。
息子はおじいちゃんは病気で亡くなったという事を理解しています。
でもやっぱり記憶はないし、特に夏休み後に、同じクラスの子がおじいちゃんちに行ったと聞くと羨ましがりますし、年少の夏休み後は泣かれてしまいました…
しかたがない事とはいえ、子どもにも多少なりとも寂しい思いをさせる可能性があるのです。
そして、高齢出産最大のデメリットは「自分の命の残りが少ないこと」
高齢出産で私が最大のデメリットだと感じる事は、自分の命の残りが少ない事だと感じています。
よく「40歳で産んだ子どもが20歳になる時、親は60歳」なんて言いますよね。
でもそんなのまだマシ。60歳でも今は元気な人が多いから、ピンと来ない人もいるでしょう。
それに、私が子どもを産んだ40歳って、「人生の折り返し」なんて言われますよね。
でも実際はとっくに、人生の折り返しを過ぎているんです。
私が亡くなる年齢を80歳だとしましょうか。
80歳と聞いて、どうですか。まだまだ人生長いわね〜!って思いますか?
80歳の半分は40歳ですもんね。
では、誰の世話にもならず健康で元気で暮らしていられる年齢を75歳としたらどうでしょう。いやいや、もしかしたら70歳かも知れません。
私は40歳で息子を産んだので、30年しか、自分が元気な状態で子どもの人生を見守ることができないという事になりますね。
いくら元気な人が増えてきているとはいえ、人間ですもの、予測不可能な事が身体に起きるかも知れません。
これがもしも30歳で産んだら45年。
25歳で産んだら50年です。
もちろん、子どもとずっと一緒にいられるわけではないし、いつか子離れをし子どもには親離れをしてもらわなくては困ります。
でも、高齢出産は子供の人生を見ていられる時間が他のお母さんより短いのです。
息子もいつか結婚をして子を持つとしますよね。
孫を見るなんていう事は私にとって高望み過ぎて考えてもいないけど、今は晩婚の時代なので息子が結婚をするのが30歳として、私は70歳。
その後息子に子供が産まれるのを35歳と仮定すると、私は75歳。
いくら今のお年寄りは若いとはいえ、70代になったら元気だという保証はないですし、癌家系の我が家ですから、癌の1つや2つなってそうな年齢です。
仮に父が亡くなった67歳を自分に置き換えて考えると、私が67歳の時、息子は27歳の若い盛り。
27歳って言ったら、私なんて親に頼りまくりの頼りまくりでした。
でももしかしたら息子は1人で人生の荒波の殆どを親に頼れずに乗り越えていかなくてはならないかも知れません。
うーん、1人ならまだマシですね。
もしかしたら私か夫か、最悪2人同時に介護が必要になっているかも。
そうなると、そんな男性のもとに嫁に来てくれる人・・・・・・いますかね。
お嫁さんが来ないと息子、どうなるでしょう。
1人で生きていく事になりますよね。
私が高齢出産で兄弟姉妹もいないから、誰にも頼れることなく1人で。
本音を言うと、夫になる息子を見たいです。
孫を見たいとまでは思いませんが、父になる息子を見たいです。
でも自分、何歳まで健康でいられるんだろう?
いつまで息子を見守ってあげられるんだろう?
我が子が本当に頑張っても頑張ってもどうしようもない時に、手を差し伸べてあげられないかも知れないのです。
それどころか、むしろ自分が息子の人生の足枷になる可能性すらあります。
誰しも我が子には幸せになって欲しいと願っているはずです。
出来る事なら余計な苦労をせずに。
そのために私たち親はできる限りの事を今するとしても、その為に親である私が出来る事があまりにも少なすぎて、時間が足りなさ過ぎて愕然とします。
これが、高齢出産の現実です。
今、育児が孤独で悩んでいる、若いお母さんに伝えたいこと
育児って孤独ですよね。
いくら仲の良い友達がいたとしても、子育ての悩みを本当に共有できる人は少ないし、寄り添ってくれる人も少ない。
若い頃に子供を持つと、周りはまだ自由に遊んでいて、可愛い服を着て綺麗にメイクをしてる。
自分だけが取り残されたような気持ちになる時もあるし、自分がしたい事が出来なくて、自信もなくなってしまったり。
自分が高齢出産をして過去を振り返った時、私が遊びほうけていた頃に子供を産んで四苦八苦していた友人の心に、全く寄り添ってあげてなかったんだという事がわかって、自分が恥ずかしくなりました。
私は高齢で子どもを持ち、人生の経験は年齢の分豊富なはずなのに、それでも孤独で思い悩む事ばかり。
若いお母さんたちはこんな経験を若いうちになさっているですよね。
そう思うだけで、本当に頭が下がるのです。
貴女の選択は間違ってないです。
子育てを終えて30代40代で出来る事、たくさんありますよ。
これから高齢出産をするあなたに伝えたいこと
これから高齢出産を迎えるあなたに、私が経験してこれだけは準備をしておいた方が良いと思う事をお伝えしておきますね。
まず私が高齢出産で1番大切だと思う事はお金です。
いらやしい話ですか?
お金がなくても愛情さえあれば乗り越えられるでしょうか。
私たちには時間がありません。
そして産まれてくる子が私たち親に頼ることが出来る時間も、他の子よりずっと短いという事を忘れてはなりません。
同級生が30歳になってもまだ親の援助や手を借りられるその時、我が子はもう私たちの介護をしているのです。
子どもに負担を強いないためには、やっぱりお金が大切なのですよ。
そうわかっていても、そうそう簡単にお金を増やす事なんて出来ないんですよね。
それに、将来の備えをするために節約節約ばかりだと、ただでさえ短い子どもとの時間を楽しめずに終えてしまうかも知れませんね。
…とここで「こうすれば主婦でも隙間時間でこつこつお金を稼げますよ~」みたいなのを紹介するんでしょうけど、私はそういうのを知らないので…
せめて助言できるとしたら保険を適宜見直すことと固定費を減らすことじゃないかと思います。
うちは食費やレジャー費の節約はほとんどしていなくて、子どもと一緒に楽しく食べて旅する時間を重視しています。
じゃぁどこを削っているかというと我が家は入りっぱなしだった保険を見直したり、スマホは格安スマホを使い通信費を抑え、もらえるポイントは全部もらうっていう感じで、年間ざっと30〜50万円ぐらい浮かせています。
高齢出産は、「今を楽しむ」事と「子どものために残す」事のバランスが非常に難しいという事は、覚悟しておいた方がいいです。
さいごに
あなたが今、子を持つという事と秤にかけている大切な何か、その多くは子育てがひと段落したら取り戻せる可能性が高いです。
そして子を持つのには、残念ながら期限があります。
子供を助けてあげられるのにも期限があるし、我が子の人生を見つめられる時間にも期限があります。
人にはそれぞれ大切なものが違うし、子どもだけが全てではないし、高齢出産を選んだのではなく、選ばなくてはならなかった人もいるかも知れません。
20代の私が子どもを産んでいてもうまく子育てできなかった可能性もあるのはわかっています。
それにもし、20代の私が子どもを産んだとしても、今の我が子に出会えていたかというとそうではないでしょう。
でも、子どもの成長の早さを実感するたびに、自分の命の終わりが近付いている事を実感してしまうのです。