高齢、切迫、里なし、知り合いなし、でも夫婦二人で何とかなった話。

私は高齢で出産しました。

息子を出産した時、今の住まいから車で40分程の私の実家では妹が出産のため近居しており、父は肺癌治療中。夫の実家は車で3時間離れており、義父は数年前に亡くなっており義母だけという状況でした。

出産までにも私の身体に様々なトラブルが起こり切迫早産で緊急入院、誰もが里帰り出産をするだろうと思っていたようですが、結局私は里帰りせず、夫と二人で産後を乗り越えました。

しかも周囲に知り合いは一人もいないという状況

今回は、里帰り出産をしないと決めるまでの経緯や乗り越えた方法、里帰り出産をしなかったメリットについて書きたいと思います。

前半は私達夫婦のエピソード的な内容が主体となります。具体的にどんな準備をしたのか等のみ読みたい方は、目次から「2.里に頼らない出産に向けての準備」にお進み下さい。

里帰りしない、里に頼らないと決めるまで

夫婦ふたりで乗り越えたと言うとだいぶ聞こえが良いのですが、最初からそんな微笑ましい決意で里に頼らないと決めた訳ではありません。

夫と私は、肉食獣と昆虫ほどに生態系から性格から何から何まで違い、唯一お互いに共感した事が「たけのこの里派かきのこの山派か」のみという、そもそも何故夫婦になれたんだ?というような相性。

あまりにも意見の衝突が多く、波乱含みの幕開けに。

夫の頭の中が花畑過ぎて心配になった

義父は既に亡くなっており、義母は一人で田舎暮らしをしています。

一日も早く田舎に残した母親に孫を抱かせてあげたい長男夫、私の妊娠が判明すると「これで母ちゃんに孫を抱かせることができる!!」という”はっちゃけ状態”になり、歳の離れた妹の面倒を小さな頃に見ていたという自負から、育児には少し自信がある状態。

一方私は昔から子供は得意ではなく、親戚や甥や姪、一切世話をした事がありません。

夫は当たり前のように義母を出産に立ち会わせるつもりでいたようですし、その後も購入したばかりのマンションに呼び寄せ数週間「世話」をさせるつもりでいたようなのです。

ここで問題なのは、義母は家事炊事が不得意だという現実です。
むしろ夫の方が家事が得意。

客観的に見て義母が雑務をこなしてくれるようなタイプではないのにも関わらず、夫は呼び寄せようとしている。恐らく夫の中では、赤ちゃんの世話を交代交代でする図が思い浮かんでいたのだと思います。

夫の頭から「赤ちゃんは母親(=嫁)が世話をするもの」という大切な事がすっかり抜け落ちているようでした。

気を使いながら世話されたくない

一方で当時の私の実家の状況は、五年生存率の低い肺癌で治療中の父が自宅から治療に通っている状況、そして私よりひと月早く身ごもった妹が近居、更に三人子供がいるもう一人の妹が敷地内同居している状況でした。

私が実家を出て二十年余り。
私の実家は実家でありつつもはや私が暮らしていた時の実家と全く違う環境

私にとっての姪や甥(煩い盛り)、義弟もいます。

当時父は事業を畳み治療中ではありましたが、まだ元気でしたので、母と一緒になって必要とあらば私の里帰りを受け入れるつもりでいたようなのです。

そんなうちの両親は昔から詰めが甘いと私の中で有名(☝ ՞ਊ ՞)☝

ちなみに父は肺癌でしたが、亡くなる一週間前まで喫煙しておりましたので、この頃はまだ喫煙中

この状況で私が寛ぐ事ができるでしょうか?

長女気質発動で周囲に気を使いながら、また、平気な顔をして煙草を吸う父にイライラしながら世話になる図が容易に思い浮かびます。

三人(プラス一匹)で静かに過ごしたい

更にマンションを購入し引っ越して一ヶ月程で切迫早産の緊急入院となってしまった私は、「早くあのマンションで落ち着いて暮らしたい・・・」と日々念仏のように唱えているような状態。

早く退院して家に帰りたい。

自宅には結婚前から飼っている猫を残した状態で入院しましたし、その猫と離れて暮らす寂しさも手伝い、何より穏やかに静かに過ごしたい、そういう気持ちが非常に強くありました

私は、(里があるけど)里なし出産を決意しました。

 

里に頼らない出産に向けての準備

さぁ里に頼らないと決めたら早速準備をしなくてはなりません。

私の場合は切迫早産で正産期まで入院していましたので、時間はほんの数日しかありませんでしたが、特に問題のない方でしたらゆっくりと準備できるかと思います。

夫をしっかり洗脳、外野は放置で良い

里に頼らない出産をするにあたり、夫を洗脳できるかどうか、これが一番の問題になります。

義実家や実家がどう言おうと、夫婦で同じ決意をしているのであれば、周囲の意見など放置で問題ないからです。夫を洗脳できれば、里なし出産などたやすい事。

なぜか「里帰りしないなんて!!!」という謎の勢力が突如現れたりするのですが、それにいちいち揺らいでいるようではダメなんです。

その謎の勢力は実母だったり、親戚のおばさんだったり、仕事場のお局様だったり義母だったりします。育児の先輩ほどあてにならない勢力はありません。徹底的に聞き流しましょう

そういう人たちは、何かあったときに助けてくれる訳ではなく、口出ししたいだけの勢力です。無視しても今後困る事は何もありません。

夫にはここでぜひ「父親になる自覚」を持ってほしいものです。

赤ちゃんも私も、あなたがいないと生命に関わるのだ、と滾々と言い聞かせました。

食べ物

出産前にとにかく数を用意したものは、

一つずつラップに包んだおにぎりを冷凍
一回に食べきれる量に小分けした惣菜を冷凍
添加物の少ないインスタント味噌汁

この三点です。

出産前に炊き込みご飯や白米等、とにかく思い当たるだけおにぎりにした物を何十個と一つずつラップに包み冷凍。これさえあればレンジで温めて片手で食べられ、とにかくお腹が空く授乳期に非常に便利でした

また、インスタントの具沢山味噌汁。
温かい汁ものは授乳中の身体を温めるのにも良いですし、満腹感もあり、お味噌汁の匂いは日本人にとってリラクゼーション効果もあるので、産褥期のストレス緩和になるかもーという安易な考えもありました。

今思えばですが、どうしてもたんぱく質不足になりがちなので、インスタントではなくレトルトの豆乳スープ等も良いかも知れませんね。

小分け惣菜は、大豆入りひじきの煮物や切り干し大根、きんぴらごぼう等、冷凍しても大丈夫そうな和惣菜が殆どでした。
ごぼうは母乳にも良いので、母乳育児を希望している方は多めに作って小分けに冷凍しておくと良いと思います。
 

大切なのは、ここで考えるべきなのは自分の事だけだという事

夫の食事は自分で準備してもらいます。
コンビニ弁当でもなんでも良いと思います。
日ごろきちんとした食生活をしていれば、非常事態の数ヶ月栄養バランスが崩れたとしてもすぐにリカバリーできます
 

また、ネットスーパーや宅配弁当がここまで普及している今の時代、利用しない手はありません。
予めどのネットスーパー等が利用できるのかを調べて登録しておきました。

物わかりの良いご主人であれば週末に買いだめでもしてもらえば良いかと思いますが、我が家の夫は高い確率でお願いしたものとは違う物を買ってしまうという謎の癖があるため、欲しいものがしっかり選べるネットスーパーの方がストレスがありませんでした。

送料や割高感は否めませんが、この時期だけと割り切って思う存分活用しました

①自分用に出来る限り多くのおにぎり、小分け惣菜を冷凍しておく。
②温めてそのまま食べられる状態にそれぞれラップで包む。
③自分の事しか考えない。
④夫の事は夫自身で考え自分で準備してもらう。

 

日用品

Amazonなくして我が家の里なし出産は語れません。
ヤマトのセールスドライバーの方とも顔見知りです。

当時は佐川急便もAmazon配送を行っておりましたので、我が家の地域を担当している佐川のお兄さんは息子が赤子の頃から(=私がボッサボサのかなりヤバイ状態から)ずっと知ってくれている、心強い存在であります。

おむつお口拭きおしりふきトイレットペーパーティッシュの類は全てAmazonと楽天を駆使し、基本的に安い方で注文をしつつ、急ぎの時は値段に関わらずAmazonを利用しました。

 

 
ちなみに我が家では雑巾、布巾の類は全てキッチンペーパーとお口拭きで代用
洗濯の手間を減らすためです。

使い捨てできるものは使い捨てる、エコからは少々遠のきますが、手間を減らすという点では非常に有効な手段でした。

また、二ヶ月弱切迫で入院していた私は筋力という筋力が衰え、何と母乳を与えるのにしっかりと抑える事すらできない状態でしたので、最初の数ヶ月はミルクとの混合育児でした。

そのため、ミルクもAmazonで調達。

また哺乳瓶の消毒には、一番手間がかからなそうな消毒薬を選択し使用していました。

①Amazon、楽天、ヨドバシドットコム等のネットショッピングサイトを駆使。
②使い捨てができる物は迷わず使い捨てに
③迷ったら一番手間が掛からない方法を選択する

 

家事

洗濯は基本的に週末に夫にしてもらいました。

自分たちの物はため込んだままでしたが、赤ちゃん用のガーゼやタオル等、衛生面が気になる物は小さくすぐ洗えてすぐに乾くため、入浴のついでに洗濯をしてしまえば特に手間にはなりませんでした。

但し大人の物は一週間ため込んでも大丈夫な枚数が必要になりますので、予め準備しておきましょう。

掃除、ゴミ出し等も夫に全てしてもらいました。日頃から「出来る方がやる」という暗黙のルールがある我が家では家事に関してトラブルはなく、スムーズに事が運びました。

でももし日頃何もできないご主人をお持ちでしたら、この際に全て一人で出来るよう覚えてもらうべき断言します

産後だけでなく、例えば子供がインフルエンザになったり高熱を出したりした際にも、子供にかかりっきりで旦那の面倒までみれねーよっ!!!という状況は多々出てきますし、子供が体調崩せばそれが移るのは大体お母さんです\(^o^)/

そんな時にご主人がなにもできない状況だと、どっちにしても詰みます。

 

但し、出来の悪さや細かい事には目をつぶりましょう
例えば洗濯物を干すのにしわを伸ばしてないとか、畳み方が自分と違うとか、そんな事で目くじらを立ててはいけません、絶対に

今はそんな細かい事はさておき、干せればいいんです。とりあえずしまってくれればいいし、ゴミを捨ててくれればいいんです。ガミガミ細かい事を言って何もしてもらえなくなるよりは良いはずです。

①大人の洗濯物は週末にまとめてする
②そのために多めに用意しておく
③赤ちゃん用品はお風呂のついでに洗っちゃう
④掃除、ゴミ出しは夫にしてもらう
⑤夫の家事スキルにダメ出ししない

 

赤ちゃんのお世話は夫にも教え込む

里帰りしない出産を選んだご夫婦のご主人であれば、育児参戦型のご主人が殆どかと思いますので問題なさそうですが、何はともあれ赤ちゃんのお世話の仕方は全て夫と共有しましょう。

おむつ替えの仕方から、ミルクを飲ませた後の背中トントン、寝かしつけ方から何かなら何まで。
我が家は沐浴は全て夫にしてもらいました。
私の筋力低下により支えられなかったというのが理由なのですが・・・

 
一番驚いたのは、新生児のおむつ替えについて。

私は一度おしっこをしたら替えるものだと思っていたのですが、夫は一度ではなく数回してからでいいと思っていたそうです。赤ちゃんはおむつが汚れたら泣きますし、新生児のうちは肌も弱いため毎回替えるんだよと教えて初めて知ったそうです

このような事もありますので、事細かに共有した方が良いです。

ちなみに我が家では病院でもらった育児日誌に、いつミルクを飲んだか、いつおむつ替えをしたか等を双方記入し確認し合いました

これがあると、私が赤ちゃんと寝てしまっている時に夫が帰宅したり、まだ私たちが寝ている時に夫が出勤したりして話す時間がない時にも状況が分かりやすく、とても便利でした。

①赤ちゃんのお世話は夫にも一人で出来るように覚えてもらう
②「知っていて当たり前」な事も確認し合う
③育児日誌を共有する

 

里に頼らない出産のメリット

大変だった部分もありましたが、私にとって里に頼らない出産はメリットの方が断然多くありました。
今となっては里帰り出産の意義が全く見いだせない程です。

あれは祖父母のためにあるようなものなのではないかとすら思うように。

夫が「ママンのボキタン」をめでたく卒業したっぽい

夫は、比較的壮絶な人生を歩み苦労の絶えなかった義母を小さなころから見てきましたので、反抗期という物もなく、義母のためとあらばはっちゃける傾向がありました

例えば義母に孫を抱かせてあげたいがために、新生児を何時間も車に乗せる事に何の抵抗も感じないような所がありました。もちろん私が全力で阻止しましたが、全力で阻止しなければきっと平気で連れて行ったでしょう。

親からもらった恩は子に送るのが当たり前だと思っていた私にとって、親からもらった恩は親に返すつもりの夫とは相容れない部分が多くありましたが、何と里に頼らずに産後を乗り切ったおかげで、すっかりボキタンを卒業

それまでは義母の言う事は「めんどうだから」という理由で、積極的に聞きはせずとも反論すらしなかった様な事でも、ちょっとおかしいと思えば意見を言うようになり、時には息子のために苦言を呈する事すら

まずは子の安全と健全を真っ先に考えてくれるようになりました。

産前産後の悔いが残らない

我が子にとっての祖父母が産後に介入しなかった事で、祖父母との育児においてのジェネレーションギャップに悩まされることもなく、また、して欲しくない事をされたりする機会も当然ありませんので、「あんな事言われた!」「あんな事された!!」という悔いが残らず、精神衛生上、非常に良い環境だったと思います

例えば赤ちゃんが泣いている時に抱き上げようとしたら「私が見ててあげるからあなたは家事しちゃいなさいよ」と言われた、なんて良く聞く話ですよね。悉く赤子との邪魔をされたら…(╬ಠิ益ಠิ)

想像するだけでゾッとします。

そもそも産後のお世話は、お母さんが赤ちゃんのお世話に集中出来るように身の回りのことをするという常識が広く浸透して欲しいものです。

ここで祖父母が介入し過ぎて、お母さんの母性や愛着が上手く育たない、なんていう最悪のケースすらあります。でも未だに母親から子を取り上げる風潮があるのもまた事実

何事も「家族」で解決するのが当たり前に

何か困った事があったらすぐに里に駆け込む、里に頼る、それも一つの方法ではありますが、夫婦でぶつかり解決して更に家族としての結束が深まっていくというか。

親は普通に行けば先に亡くなりますし、いつまでも頼る訳にはいきません。

親が元気だからと頼ってばかりで夫婦間で解決する癖をつけておかなかったら、いざ親の介護や自分たちの病気等、大きなトラブルが起きた際、どうやって乗り越えていくのでしょう?

出産なんて新しい命が誕生するという非常に喜ばしく希望に満ち溢れたライフイベントですよね。

そんな時に夫婦で協力し合い助け合えないのであれば、多分これから訪れる幾多の困難にも立ち向かえないのではないかと思います。

一時期は友達のような母娘、なんていうものが流行りましたが、あんなんで良いのでしょうか?

これから先の人生、誰と共に生きて行くのか、はっきりと知るための十分な機会になったように思います。

さいごに

産後を夫婦二人で乗り越えたという事実は、夫婦の自信に繋がりました。

もしも私が里帰り出産をしたり、里に頼りっきりだったら、恐らく主人は今だに「父親」になりきれていなかったかも知れないなーと思います。

私が出産した後、私の従妹が出産したのですが、従妹は実家に頼りっきり、従妹のご主人は子供のおむつすら買ってこないと叔母が嘆いていました。

でもそうしたのは従妹であり叔母だと私は思うのです。

誰しもがお母さん業に初めて取り掛かるのと同じで、夫にとっても初めてのお父さん業
最初にしっかりと学ばなければうまくいくはずもありません。
特に父性は、赤ちゃんに触れて初めて日に日に育っていくものだと思います

以上、高齢、切迫、里なし、知り合いなし、でも夫婦二人で何とかなった話でした。
お読みいただきましてありがとうございます。