絵を聴く保育の体験談!親子のコミュニケーションや子どもとの関わりを深めたい人におすすめ

この記事は、イラストのお仕事をされているNさんにお子さんと実践しているアートな子育て体験談をまとめていただきました。
今回は絵を聴く保育を紹介してもらいます。
自己肯定感と想像力や表現力を育てるそうです。ぜひ参考にして下さいね!

子どもの絵を見てどんな声かけをしていますか?
「上手だね!」と褒めることも多いと思いますが、「上手だね」と褒めるだけではもったいない!
「絵を聴く保育」は絵を通じて親子のコミュニケーションやかかわりを深めたい方におすすめです。
え?絵を聴く?描くじゃないの?と思われる方も居るかもしれませんが、「聴く」なんです。
一部の保育園や幼稚園でも取り入れられている「絵を聴く保育」は、子どもの自己肯定感を高めたり、感性を伸ばしたりといった効果も。
特に難しい事はなく、普段お子さんが使っているお絵描き道具で今日から実践できます。
子どもの絵を褒めるだけではなく、絵の背景の話を聴く
実際に絵を聴く保育を取り入れている保育園の年長さんが、初めて絵の具を使って描いた絵だそうです。
「絵を聴く保育」というのは、子どもが絵を描く時に、その裏側の話を引き出して聴いてあげること。
子どもは想像力を膨らませて表現力をどんどん伸ばしていきます。
実際に、「絵を聴く保育」の著者である中山ももこさんのワークショップを受けました。
絵は知育に有効!子どもの絵の発達過程と声かけ例
初めは手遊びだったお絵かきが、やがて好きな物を描き、人や背景、ストーリーが展開されるようになります。
年齢と発達を知っておくことで、その時期に合わせた声かけが可能です。
1 歳 頃 | 擦画期 | 紙に色をこすりつけたり、手についたものをこすりつけ感触を楽しんだり痕跡を見て楽しむ時期です。 止めたり取り上げたりせず、自由に画材で遊べる環境を整えましょう。 『点々楽しいね』と一緒になって遊ぶのもおすすめです。 |
2 歳 頃 | 錯画期 | 殴り書き、ペンを押しつけて点を描くことからスタートし、線を描いたり、丸を描きはじめます。たくさんの丸を描くことも。 ペン先が潰れてしまったり、机などに落書きしたりとトラブルが多い時期。紙はどんどん使って描かせてあげましょう。 『まるまる・ぐるぐる』など擬音語を使って言葉遊びをしながら。 |
3 歳 頃 | 象徴期 | 単純な形と色を、顏や、みかんやリンゴなどに見立てて描きはじめます。 頭から手足が出ている「頭足人」などもこの時期特有の絵です。 大きさの釣り合いなどが取れていない場合もありますが、批判せずに。 『これはりんごかな?美味しそうだね』と声をかけ子どもに話をさせてあげて。 |
4 歳 頃 | カタログ期 | 好きなものを描けるようになり、カタログのように並べて描かれます。 この時期に子どもと対話しながら絵を描くことで、背景やストーリーが出てくる様になります。 親が子どもの絵に興味や共感をもって質問し、子どもの話を聞き、子どもがたくさん描きたくなるように促していくことが大切です。 『この猫はおさんぽしてるのかな?この間公園で猫を見たね』など生活の中で体験した事などを出しながら、イメージを膨らませられるよう声かけして、子どもの話を聴いてみてください。 |
5 歳 以 降 | 図式期 | 背景やストーリー、関係性が絵に表れてきます。 絵が上達してくると、遠近感や立体感もでてきます。 思うように描けない事も多くなりますが、『ここがリアルに描けているね』『迫力があるね』など具体的な部分を褒めつつ、子どもの描きたい世界の話を聴きましょう。 |
絵は知育になる
子どもは、写真や風景をよく見て絵を描いているわけではありません。見ながら描くというのができるのは7歳頃からと言われています。
それまでの子どもが描くのは心の中にあるイメージです。4歳頃から徐々に背景やストーリーが産まれていきます。
ストーリーをイメージする時に必要なのが想像力。
「想像」は脳の前頭葉を使う為、前頭葉の発達を促す事が絵でできるということなんですね。
前頭葉は想像力以外にも、思考力・感情のコントロール・意思決定・集中力・注意力・実行力・デュアルタスク・判断力・記憶・コミュニケーション等様々な働きをしている部分です。
4歳頃が絵を描くのに大切な時期です。
絵からストーリーが産まれる4歳頃が想像力を発達させるのに大切な時期。この時期には特に、絵の話を聴きながらたくさん描かせてあげて欲しいなと思います。
もちろん5歳以降であっても、声かけをして想像力をを伸ばしてあげると絵がぐっと変わってきます。
絵は子どもの発達や、心理を見ることができる[心のレントゲン]
年齢に応じた声かけで、自分の表現を認めて貰うことは子どもの自己肯定感にも役立ちます。何より、自分の世界を表現することが出来るって素敵なこと。
声かけをしながら子どもと絵を楽しむことで、心理面でも落ち着きが出てきました。
絵で子どもとコミュニケーション!絵を聴く声かけを実践してみた
わたしが「絵を聴く保育」を読み、はじめてやってみた声かけはこんなかんじでした。
その言葉を伝えると、子どもは「あ、そうだった!」と思い出したようで、そこから色んなキーワードが出てきました。
- 晴れていたのに急に雨が降ってきた。
- 車で行った。
- 家族ででかけたけれど、途中で友達に会った。
イメージが膨らむと、その時の事をもっと描きたいと思った様子。夢中で手を動かしはじめました。
これまで、自分の好きな物(恐竜や虫など)しか描かなかった息子の絵に、家族や友達、絵の背景が登場しはじめました。
絵を描いて、見せてもらって、褒める。だけだった頃と比べて、生き生きとした絵に変わっていきました。
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子どもと一緒に絵を聴きながら、絵を描く時のポイント
ぐちゃぐちゃになってしまったり、色が思うように塗れず子どもがショックを受けないように、ポイントを抑えておくと、最後まで楽しんで描き上げてくれます。
絵を描く順番を守れば仕上がりが良くなる!
絵を描く順番を守るようにするとぐちゃぐちゃになったりまとまらなくなったりすることがなくなります。
- 線画(下書きをする場合は鉛筆、その後太めのマーカーで)
- 広い面を絵の具で塗る
- 細かい部分を色鉛筆で塗る
この順番で描けるように誘導してあげましょう。
画材は太い物、紙は大きい物を選ぶ
子ども自身も手で持ちやすく、描きやすい、画材も紙も大きなものがおすすめです。
線が太い部分と迫力が出てコントラストができるので絵がまとまりやすいです。
おすすめのペンはプロッキーツイン。


油性のマッキーは裏移りするのでおすすめできません。
紙は100均でもOKです。
紙の下に敷く画板があると、はみ出しを気にせず子どもものびのび描けますよ。


主線は1色で描く
使用するマーカーは黒や青などの1色を使います。色を限定することで、絵にまとまりができます。

モノの形を面で描くタイプの子どもさんにはクレヨンや速乾性のあるマーカーがおすすめです。

絵の具は混ぜず単色で
絵の具はそのままの色で使うことで発色が良い絵になります。
チューブタイプの絵の具より扱いが簡単で、優しい色合いが特徴の固形絵の具がおすすめです。
水彩絵の具なので汚れも落としやすいです。


親が絵を誘導しない
子どもが空をピンクで塗っても、ウマの足が6本あっても、親が誘導したり、手を出したりせず見守ってあげましょう。
間違った声かけや誘導で絵に苦手意識を持ってしまうと、絵の発達は止まってしまいます。
ピンクなのは夕方なのかな?など声をかけるチャンスです!
ぜひ楽しんでくださいね。
絵を聴く保育の体験談!親子のコミュニケーションや子どもとの関わりを深めたい人におすすめ、さいごに
この記事では、絵を通じて子どもの話を聴く「絵を聴く保育」についてまとめました。
子どもの想像力や発想力を育てるだけでなく、話を聴く事で自己肯定感が育ち、親子のコミュニケーションにもつながる方法なので、ぜひトライしてみて下さいね。