ボルボV60のグレード「モメンタム」と「インスクリプション」の違いについて、エンジンや数値以外の部分の、主に乗り心地や居住性などの違いについて、実際に乗って比較した体験談を元に解説します。
我が家がV60を購入する際、まず初めにモメンタムとインスクリプションの2つのグレードで購入を悩みました。
エンジンや燃費などにほぼ興味がない我が家が重視したのは主に乗り心地や居心地なんですが、最初に見たのがインスクリプションだった事もあり、そのまま一目惚れの形でインスクリプショングレードを購入しました。
我が家が購入したV60マイルドハイブリッドのモメンタムグレードとインスクリプショングレードでは、新車〜新古車で価格差が100万円ぐらいでしょうか。
正直、インスクリプションを購入した後、「モメンタムで費用を抑えたほうが良かったかも…」「ここは贅沢仕様じゃなくていいんだけどな…」と思ったこともありましたが、
幸か不幸かwドアをぶつけられ修理に出す際の代車でモメンタムグレードを借りる事になり、実際に比較できたので、違いをまとめます。
なお、エンジンの違いや走りの違いなどは専門家執筆の詳しいサイトがたくさんあるのでそちらをご覧いただくとして、当サイトでは主に装備・インテリアなどの違いをお話していきます♡
ボルボV60 インスクリプションとモメンタムの違い
ボルボのV60には、プラグインハイブリッド車と48Vハイブリッド車(マイルドハイブリッド車)がありますが、今回は48Vハイブリッドのモメンタムグレードとインスクリプショングレードの違いを比較します。
モメンタムは標準グレードで、インスクリプションは上位グレードになります。
ちなみに、中古車でまだ流通している純ガソリン車の「T5」「T6」だと、それぞれにモメンタムとインスクリプションのグレードが設定されていますが、48Vハイブリッドモデルに関しては、B4がモメンタム、B5がインスクリプションになっています。
両者のベースの価格は次の通り。
B4 Momentum モメンタム | B5 Inscription インスクリプション | |
---|---|---|
メーカー希望 小売価格 | 5,140,000円 | 6,390,000円 |
2022年4月からの価格改定に合わせ、以前は500万円切る事でかなりコストパフォーマンス面でインパクトがあったモメンタムが514万円になっちゃいましたね。
原材料の価格高騰で仕方ない事ですが…
さてそれでは、実際にどんな部分が違うのか見ていきましょう♡
違う部分だけピックアップしました。
インテリアなどの違い
Momentum モメンタム | Inscription インスクリプション | |
---|---|---|
シート | ファブリックシート | ファインナッパレザー リアシート合成皮革のモデル有り |
ステアリング | 合成皮革 | 本革 |
シフトノブ | 合成皮革 | オレフォス®社製クリスタル |
キーフォブシェル | プラスティック製 | ファインナッパレザー |
装飾 | ダークグレーのアルミニウム装飾 | 流木を使用したパネル |
エアコン | 2ゾーン | 4ゾーン |
シート | 完全調節式助手席シート 電動で前後にシート調節可 | 助手席が8ウェイで調節可 電動で前後上下にシート調節可 助手席シートメモリー マッサージ機能 フロントシートベンチレーション フロントシートヒーター サイドクッションを電動調節可 運転席側の足の部分を電動調節可 |
チャイルドロック | 装備 | |
オーディオ | ハイパフォーマンス オーディオシステム | harman/kardonプレミアムサウンド オーディオシステム エアベンチレーテッド・サブウーファー |
アドバンスト エア・クオリティ・システム | PM2.5までも低減・排除できる高度な空気清浄機能。 |
インテリア等に関しては、モメンタムはベースがファブリックシートでステアリング・シフトノブは合成皮革、アルミニウムパネルが使用されています。
インスクリプションは本革を使用しつつ、シフトノブにスウェーデンのクリスタルが使用されていたり、流木を使用したパネルが使われるなど”車っぽさ”が軽減されているイメージです(個人の感想です)。
ちょっと色が違うので比較になるかって話なんですけども…
ステアリングのボタンの質感まで違います。(インスクリプションは艶感があるので指紋が目立ちます)
小ネタ:後期モデルは後部座席が合成皮革に?
一時的な事なのか今後継続して変更となるのかは不明ですが、我が家のV60の後部座席は合成皮革です。ボルボはレザーフリーを目指しているので、同じ新型V60でも生産時期によりフロント・リアともに本皮のものと、フロントのみ本皮・リアは合成皮革のものがあるそうです。我が家は新しい方&色で選んだので後部座席が合成皮革のものになりましたが、レザーにこだわりがある方は確認したほうが良いかも。
エクステリアなどの違い
Momentum モメンタム | Inscription インスクリプション | |
---|---|---|
フロントグリル | 黒っぽい つや出しクロムフレームで囲まれた ダークグレーインサート | 艶感がある クロムフレームを使用した グロッシーブラックのグリル |
テールパイプ | 円形 ステンレス製の 円形ビジブルデュアルテールパイプ | 四角っぽい クロム仕上げのステンレス製 フルインテグレーテッドテールパイプ |
ルーフレール | ブラック | 光沢アルミ |
ホイール | 17インチ 5ダブルスポークホイール グロッシーシルバー仕上げ | 18インチ 10マルチスポークホイール ダイヤモンドカット |
リアウィンドウ5面 | ダークティンテッド・ガラス | |
トランスミッション | 7速デュアルクラッチオートマチック | 8速Geartronic™トランスミッション |
フロントグリルやルーフレールなど、モメンタムは黒っぽいのに対し、インスクリプションは艶っぽい仕上がりになっています(個人の感想です)。
ホイールと後ろ姿の印象がモメンタムとインスクリプションでかなり違いがあります。
あくまでも個人の感想ですが、インスクリプションのほうがシュッと引き締まった感じに見える気がします。あえて比べれば、の話なので、どちらにせよ新型V60はすごくカッコいいです…♡
オプション等の違い
Momentum モメンタム | Inscription インスクリプション | |
---|---|---|
ウィンドウ | ダークティンテッド・ガラス (リア・ウインド―5面) +53,000円 | 標準装備 |
内装 | 本革シートパッケージ +260,000円 グレインレザー | |
パワーシート | パワーシートパッケージ +420,000円 助手席8ウェイパワーシート 電動クッション・エクステンション(運転席側) 4ゾーン・フルオートマチック・エアコンディショナー 電動ランバーサポート(4ウェイ) 助手席シートメモリー機構 | 標準装備 |
クライメート パッケージ | フロントシートヒーター リアシートヒーター ステアリングホイールヒーター +90,000円 | リアシートヒーター ステアリングホイールヒーター +55,000円 |
チャイルドロック | パワーチャイルドロック +14,000円 | 標準装備 |
オーディオ | harman/kardonプレミアムサウンド オーディオシステム +120,000円 | 標準装備 |
※モメンタムとインスクリプション共通のオプション(カラーやチルトアップサンルーフ等)および上記以外の個別オプションは記載していません。
モメンタムに追加できるオプションはクライメートパッケージ以外、インスクリプションには標準装備されています。
クライメートパッケージに関しても、インスクリプションはフロントシートヒーターが標準装備なので、その分オプション価格が安いです。
ボルボV60 インスクリプションとモメンタム、乗り比べてみてどう?
さて、ざっと違う部分をあげてみたところで、実際にV6048ハイブリッドのインスクリプションとモメンタム、乗り比べてどう違うか、感想をまとめます。
ちなみに我が家がお借りしたV60B4 モメンタムは、本革シートパッケージ・クライメートパッケージ・パワーシートパッケージ装備車です。
本革シートはモメンタムのほうが硬め
B4モメンタムは通常ファブリックシートのようですが、別途費用追加で本革を選ぶことができます。
本革の内装で比較した場合、モメンタムの革はグレインレザーで、シボ感がありかなりしっかりとした質感の革です。
一方B5インスクリプションは、ファインナッパレザーを使用していて、フロントシートはパンチングレザーです。
座り心地はモメンタムの革の方が硬めで、インスクリプションの方が柔らかめという印象。これは好みが分かれそうです。
インスクリプションのウッドパネルが意外と良い
V60B5インスクリプションのインテリアの特徴でもある、流木を使用したドリフトウッドアルミニウム・パネルは、我が家は購入当初「木の必要、ある?」と思っていたのですが…
グレーのアルミニウム装飾のB4モメンタムに乗ってみて初めて「あぁ、木って目に優しかったんだな」と実感しました。
インスクリプションは良い意味で”車っぽさ”が軽減されていますが、モメンタムは良い意味で”車っぽさ”が残されているという印象になっていると感じます♡
インスクリプションの特徴的なシフトノブは…
インスクリプションのシフトノブは特徴的で、スウェーデンのオレフォス®社製クリスタルが使われています。
モメンタムは合成皮革を手作業で縫い合わせて巻いたテーラードギアシフトノブ。
確かにクリスタル製のシフトノブは美しいには美しいんですけど、冬は超冷たいんです…
なまじステアリングホイールヒーターで手がかじかむことなく運転ができるからこそ、逆にシフトノブのひんやり感が強調されてしまうという。
クリスタル製だという事を生かして、多分暗い場所では浮かび上がったりするのかなぁと思っていたんですけども、今のところ「よく確認すれば白くぼんやり浮かび上がってる?」ぐらいの感じだし(設定とかあるのかな…)、クリスタルであるメリットは特に感じないです。
とはいえ、ボルボには露骨に青っぽく浮かび上がるような仕様にしてほしくないですねw
とにかく冬は冷たいので、モメンタムの合成皮革巻きシフトノブのほうが実用的な気がします。
でもスウェーデンの歴史的な素材を使用しているという点に関しては、おお〜!すごい!と感心してしまいます。
オーディオは大きな違いが
オーディオに関しては、疎い我が家でもはっきりわかるほどに違いがあります。
まずモメンタムに搭載されているのは「ハイパフォーマンス・オーディオシステム」で、10個のスピーカーを備えるパワフルな220Wオーディオシステム。(モデルにより異なるそうです)
一方インスクリプションは「harman/kardonプレミアムサウンド・オーディオシステム」で、14個のHi-Fiスピーカー。エアベンチレーテッド・サブウーファーを含むこれらのスピーカーを600Wデジタルアンプが駆動しています。
うまく伝わるか自信ないんですけど…インスクリプションのオーディオは臨場感とクリアさがすごいです。
音が360度駆け巡るクリアなサウンドで、車の中のオーディオで聞いている気がしません。
モメンタムに搭載されているオーディオもそれなりに良いのだとは思います。が、やっぱりharman/kardonと比べちゃうと…という感じでしょうか。
モメンタムにもオプションでharman/kardonプレミアムサウンド・オーディオシステムを搭載できるようなので、気になる方は検討しても良いかも。
そういえばインスクリプションのオーディオはオプションでBowers&Wilkinsにできるそうですが、harman/kardonよりさらにすごいオーディオって、もう私には逆に違いがわからないんじゃないかと思うレベルですね…
走行中の乗り心地は
私は運転する人が感じる「走り」の部分については説明できませんので、乗り心地について簡単に…
本当に感覚的で申し訳ないんですけど、モメンタムは「しっかり走っている」感じです。
インスクリプションは「浮かんで走っている」感じです。割と違います。
スニーカーでも例えばニューバランスの574が好きな人もいれば、1300が好きな人もいると思うんですけど、そういう違いがありますね。逆にわかりにくいでしょうかw
小ネタ:モメンタムとインスクリプションでは、ウィンドウの動きも違う?!
そういえば、小ネタですが…
モメンタムとインスクリプションでは窓の動きも違うみたいです。
“みたいです”というのは、全ての車種のモメンタムとインスクリプションで違うのか、はたまたオプション等の関係なのか不明なので曖昧な表現にさせていただきました。
インスクリプションの試乗の時に後部座席の窓の開閉をして、当時乗っていたV40との違いに驚いたのですが、セールスさんに「窓の動きも上質さ(優雅さ?うろ覚えです)を演出しているんですよ〜」みたいな事を言われて、その時は「へぇ〜!」と思うだけだったのですが、
モメンタムを代車で借りた時に、モメンタムとインスクリプションだと違うのかな?と気になって動画を撮っておいたんですw
モメンタムはよくある窓の動きですが、インスクリプションは開閉の際の音がより静かで、フワッと閉まるようになっていました。
こんな細かな部分にも違いがあるのですね♡
ボルボのインスクリプションとモメンタム、どっちを選ぶ?各おすすめは?
最後に、あくまでも個人的な意見ですが、インスクリプションとモメンタム、それぞれどういう人におすすめかまとめます。
まぁはっきり言って好みの粋になってきちゃうと思うんですけどもw
ボルボはグレードに関わらず先進安全機能が標準装備されているのでその点はどちらを選んでも安心です。
モメンタムがオススメなのはこんな人!
- 余計な装備は必要ない人。
- シャープな内装が好みの人。
- 人を乗せる機会が少ない人。
モメンタムは、「余計な装備は不要!」な方にオススメです。
助手席や後部座席に頻繁に人を乗せる機会がなく、通勤等で使う事が多いのなら、モメンタムの装備で十分ですしね♡
ボルボはもともとセンスが独特というか、北欧らしいスタイリッシュさがあるので、ベースグレードでもいわゆる”安っぽさ”は一切ないですからね…
優雅さを全面に演出しているインスクリプションと比べてモメンタムはシンプルで、良い意味で車らしさがあるので、シャープな内装が好みの方にはモメンタムをオススメしたいです。
やっぱり100万円違うって大きいですからね…
インスクリプションがオススメなのはこんな人!
- 車っぽさが苦手な人。
- 人を乗せる機会が多い人。
- 音質にこだわる人。
インスクリプションは「快適性を重視したい」方にオススメです。
たとえば子どもや奥さんが車が苦手な場合は、モメンタムよりインスクリプションのほうが良いです。
私は車が苦手だった妻の立場ですけど、インスクリプションを購入して「車にまだ乗っていたい」と思う事がたびたびあります♡
乗り心地だけでなく、流木を使用したドリフトウッドアルミニウム・パネルやクリスタルのシフトノブ等、目に入るものも優しいので、居心地がよいんですよね。
あとはオーディオ。オーディオにこだわりのない私でさえ違いを感じるほど、インスクリプションの音質は良いです。
音楽好きなら絶対インスクリプションをオススメします。
ボルボのインスクリプションとモメンタムの違いは?V60のB4・B5で比較、さいごに
ボルボのインスクリプションとモメンタムを比較しました。
どちらにしても先進安全機能は標準装備だし、どちらにしても新型V60は超イケメンです。