子どもがクループ症候群になり、夜間救急病院にかかった体験談をまとめます。息子の場合は熱なしクループでしたが、咳の様子がいつもと違い気付きました。参考にした動画も置いておきます。
この記事は、1人でも多くの奥さんに「クループ症候群・仮性クループ」について知って欲しいと言う目的で、我が家に起きた体験談をまとめた記事です。
そのため、厳密には使い方が違う医療用語を用いている可能性もあり、判断に関しても個々の状況に応じて違う事をご了承下さい。
正しい判断は医師に委ね、救急外来を受診するかどうか判断に迷ったり心配な時は#8000にすぐ相談してください。
オットセイのような咳、参考になった動画
息子の咳がいつもと違うと感じた時に、1番参考になった動画を貼っておきますね。
参考にした動画(映像なし)はこちらです。
お子さんが泣いていてちょっと聞くのも辛いんですけど、合間合間にオットセイのような鳴き声みたいなものが聞こえるのわかりますか?
あれがクループ症候群の特徴です。
ここまで酷くなくてもケンケンケンというような咳で、実際に自分の子どもに起こってみると、明らかにいつもと違う事がわかります。
私は息子がお腹にいる時に梨花さんのブログを読んでいて、息子さんが生後8か月でクループで救急搬送された事をたまたま知っていたので、咳の音がいつもと違う=クループなのでは、と思い当たりました。
短い時間で呼吸困難になるまで悪化する怖い病気、これが私のクループへのイメージ。
この時にクループについて自分なりに調べ、ケンケンケンと犬が吠えるような咳、オットセイの鳴き声のような咳が特徴だという予備知識を持っていました。
我が家の「オットセイのような咳」体験談
日中、元気だった息子が急激に体調に変化をきたした時の流れはこのような感じでした。
いつも寝ない時間にソファーで寝てしまう
日中元気だった息子が、夕飯後にソファーでうたたねしました。こういう事はもっと小さな頃はまだしも、ここ最近ではありえない事でした。
いったん起きたのに、寝ぼけてまたその場で寝てしまう
寝室に連れて行こうとしましたが珍しく抵抗されたため(息子は超目覚めが良いのに)、もう少し様子を見る事に。
目を覚ましたら変な咳。声がものすごいガラガラ。
珍しく寝ぼける。あまりにも酷いガラガラ声と聞いたことのない咳に少し驚きました。
目を覚ましたら変な咳。声がものすごいガラガラ。
珍しく寝ぼける。あまりにも酷いガラガラ声と聞いたことのない咳に少し驚きました。
寝室に連れて行くと、少し苦しがる。
パジャマに着替えさせて寝室へ。横にならせると「息が苦しい」と言います。
あきらかにいつもと違う咳をする
#8000に相談。
息子のガラガラ声は酷くなる一方。咳は普段と違い細かく連続するような咳。自信がない私はYouTubeで確認をして確信した後#8000に電話。
突然ガラガラ声とオットセイのような咳を出した息子
この日は夫が長い出張から帰ってきた直後の週末だったので、のんびり自宅で過ごし、庭の草むしりをしたり、そうめんスライダーをしたりして過ごしていたんです。
日中は超元気でした。
夕飯後、ソファーに座る夫にもたれ掛かっていた息子がウトウトし、寝てしまいました。
1時間後に起きましたが、超目覚めが良い息子にしてはめずらしく酷く眠がり、寝室へ行きたがらなかったので、そのままソファーで寝かせることに。
そこからまた少し寝て目を覚ました息子は、いつもより寝ぼけている様子でした。
寝起きが良い息子には珍しい事でしたが、『そうめんスライダーでよっぽどはしゃぎ疲れたのかな』と思い微笑ましく思っていましたが、次の瞬間、
「ケンケンケンケン」
と、聞き慣れない咳を出したのです。
ケンケンケンというより、オットセイの鳴き声のような咳で、いつもの咳と違って細かく連続するような感じでした。
そして息子の声は、昼間の元気さが信じられないほどガラガラに掠れていました。
庭で草むしりをしている時に蚊取り線香を焚いていたので、その煙にやられたのかな…その時はまだそんな風に思っていたんです。
とりあえずマスクをさせ寝室に連れて行くと、ヨコになるのを嫌がります。
息が苦しい、と言うのです。
クループかも…?でもまさか、という気持ちもあった
心配性の私は、普段から息子の様子が少しでもおかしい時すぐに熱を測るんですね。
この時もすぐに測りました。
この時の熱は37.1℃。
息子の平熱は36.9℃なので、発熱しているとはいえない感じ。
クループの場合、突然38度以上の熱が出ると言われています。
この時の私は、頭の中に『クループかも知れない』という考えと、『いやでも熱もないし、自分は心配症だから気にしすぎなのではないか』という気持ちがありました。
動画でクループの咳を確認
息子の咳はどう考えでもいつもの咳と違う…
息子は喘息の気があるので、かかりつけの小児科の先生から咳が酷い時の1つの目安として、咳をしたときに胸が凹むなら即受診、凹まないなら苦しがっていなければひとまず様子見、という事を聞いていたんですね。
息子が咳をすると必ず胸を確認するのですが、今回は確認する間もなく「ケンケンケンケン」とテンポの速い咳をするのです。
私はどうしても心配で、YouTubeでクループの咳を聞いてみることにしました。先ほどの動画です。
聞いた時の感想はサーーッと血の気が引く感覚でした。
全く同じとは言えないけど、かなり似ていたんです。
やっぱりクループかも知れない、そう思った私の頭に思い浮かんだのは『確か呼吸困難になるケースがあるはず』。
でも自分の判断に自信が持てない、そう思った私は#8000に相談することにしました。
小児救急相談に相談
小児救急相談の#8000に電話をして相談をした結果は次のとおり。
- 急激に悪化する可能性もある。
- ガラガラ声もクループの特徴。
- すぐに小児救急病院へ問い合わせの上行くように言われる。
- 区市町村の小児救急病院がダメだった場合#7119で探してもらうようにとのこと。
夜間救急にかかるべきか判断つかない時はすぐ小児救急相談#8000
小児救急相談に電話をかけたことがない方も、この機会に知っておいてくださいね。
何度か利用したことがあるのですが、軽くパニックになって電話をしてもいつも優しく、私たち保護者が落ち着くように話してくれますし、段取りよく必要な事を聞きだしてくれます。
今回伝えた事は、
- いつも寝ない時間に急に寝てしまったこと。
- 起きたらオットセイのような咳、ガラガラ声。
- 本人が苦しがる。
- いつもと咳の音が違う。
- ネット上で聞けるクループの咳と似ている。
- 熱は37.1度。
この6点です。
その結果、クループは夜に突如発症する事が多く、急激に悪化して呼吸困難になるケースもあるため、すぐに小児救急を受診するようにとの事でした。
ガラガラ声かすれ声もクループの特徴に当てはまっているそうです。
私の住む区市町村の夜間小児救急受け入れがある病院を教えてくれ、まずそこに連絡。
受け入れてもらえない場合は#7119(東京消防庁救急相談センター)で当日小児夜間救急の受け入れ可能な病院を紹介してもらうように、と指示されました。
指示された小児救急受け入れ可能な病院に連絡
同じ区市町村の夜間小児救急受け入れがある病院は、我が家から7キロ弱ぐらいの場所にあり、普段は利用していません。
急いで連絡をし、8000子供の健康相談室(小児救急相談)で受診を勧められた事とクループのような症状が出ている事を伝えました。
小児科の先生に、すぐに来院した方が良いかどうか確認を取ると言われ、数分電話が保留になりました。
我が家はマイカーなし生活だったため、保留中にタクシー会社の連絡先を調べたり、持ち物の準備をしていました。
すぐに来院するように言われたため、すぐにタクシーの手配をしました。
持っていったモノ
- 母子手帳
- 保険証
- 医療証
- お薬手帳
- バスタオル
持ち物は準備する余裕がなければ最悪後回しでオッケーだと思います。
病院へ向かう間に咳が止まり、かすれ声が治る息子
タクシーで20分程度の距離にある総合病院へ向かう間、息子の症状は徐々に良くなっていきました。
病院に到着した頃には咳はすっかり治まり、声がかすれる症状もほぼなくなっていまい、『あれ…やっちゃったかな?』と内心思いました。
本当はすぐに治まる咳だったのに、私が心配性だから大袈裟にとらえすぎたのかなと思ったんです…
受付をし、救急外来の待合に入ります。
救急外来の処置室の中から心電図モニターの音が聞こえてきて、もう何だか非常に場違いな気さえしてきました。
この時の息子は、待合室の絵本を読む元気すらある状態。
息子は自力歩行もできますし、もうこの頃になると、なぜ小児救急外来に来たのかすらわからないぐらいに回復しているんです。
苦しそうな様子も咳すらも殆どなく、「ちょっと大袈裟でしたね」と言われてしまうのかもしれない…
そんな事を考えていました。
小児救急病院での診察やクループについて実際に受けた医師の説明と処置
病院での診察は次の通り。
- 看護師さんの問診
- 体温、血圧、脈拍、サチュレーション計測
- 医師の問診
- 聴診器で診察
- クループ診断
- 薬を服用
あくまでも軽度のクループだった息子の場合です。
クループでも熱なしの事がある
この時点で息子の体温は37.7度。
先ほどより熱が上がっていますが、それでもネット上でよく見かけた情報「クループは急激に熱が上がる」には当てはまりません。
サチュレーションというのは血液中に溶け込んでいる酸素量の事で、呼吸器に異常があり取り入れる酸素が少なくなるとサチュレーションが低下します。
息子は高いとも低いとも言われず、すぐに看護師さんは診察室に戻りました。
暫くして診察室から呼ばれ、状況を出来るだけ詳しく説明して欲しいと言われました。
私は、息子がソファーで寝てしまってから寝室での出来事や、咳の様子が自分が予備知識として知っていたクループと似ている事などを説明しました。
そしてもう1つ気になったこと。
タクシーの中で症状がどんどん快方に向かい、今ではすっかり治まっている事を伝えたのです。
医師の説明:クループは病院へ向かう間や診察を待っている間に快方に向かう
クループは診断が難しいそうです。
上体を起こして暫く過ごしていると快方に向かう事が多く、自宅で症状が出て病院へ向かうまでの間や病院の待合室で待っている間に座らせていると、咳がすっかり治まってしまい、クループ症候群だと診断が付かないケースがあるとのこと。
例えば、
乾いた咳
夜だけ咳
いつもと違う咳
横になるとひどい
寝ると咳が悪化
咳で眠れない
この辺のキーワードで簡単に思い浮かぶのはまさに私自身の持病である咳喘息なんですよね。
お医者さんは症状などから大まかにあたりを付けて処置していきますが、クループの場合、問診が診断の手掛かりになるケースも多いそうです。
確かに、クループで何度も病院に担ぎ込まれたお子さんのケースをネットで見ると、最初からクループだと診断されるケースより、ただの風邪ではないかと診断され、その後悪化するケースを多く見かけますね。
診察を待っている間にすっかり良くなってしまう、これがまさにクループの特徴だと、先生が言っていました。
クループ症候群の中には容態が急変し真夜中に呼吸困難に陥るものも
普通の風邪で喉が痛くなる場所よりもっと奥、声門の下あたりにウィルス感染し、炎症や浮腫みで気道が狭くなるのがクループ。
クループというのは一般的には仮性クループのことを指し、別名「声門下喉頭炎」と言われています。
仮性クループというのは”クループ症候群のうちの1つ“。
そしてクループ症候群の中には他に【急性口頭蓋炎】という怖いものがあるそうです。
この急性口頭蓋炎は、普段は誤飲を防ぐために気管支をふさぐ役割の蓋のような物が腫れてしまうため、数時間で急速に悪化し窒息する可能性がある怖い病気。
急性口頭蓋炎だった場合や、仮性クループで急激に重症化する事もあるため、クループ症候群の特徴である「ケンケンケン」という咳をするようなら、早急に受診、これが正しい対処法だそうです。
息子のような仮性クループの場合は上体を起こしていれば軽減する事が多く、ステロイド内服薬で快方に向かい一過性の事が殆どとの事。
仮性クループは経過や特徴的な症状から診断する
今回、血液検査もレントゲンも行いませんでした。
小児の場合、診断のための検査で泣き叫んで悪化させてしまうケースもあるようで、基本的には最低限の検査しかしないとのこと。
例えば先ほどの急性喉頭蓋炎や気道に異物が入っている可能性がある場合は検査が必要となるそうですが、診察を待っている間に快方に向かうような仮性クループの場合は、経過と症状で診断するそうです。
仮性クループにおけるステロイド剤の内服について
今回は吸入薬は使用せずステロイド内服薬のみの治療となりました。
吸入剤のボスミンを使用する事もあるそうですが、それぞれ作用する時間が違うため症状により使用を決めるとの事でした。
クループ症候群の薬
- ボスミン⇒早く効くが効果の持続が短い
- ステロイド⇒効くまでに2〜2時間かかるが効果が持続する。
こんな感じ。
そして、
- シロップか粉か選択できる。
- シロップはちょっと驚く量が出る(風邪で処方されるシロップ薬全量ぐらい)。
- 甘い飲み物に粉を混ぜて飲ませる方が少なくて済むかも、でも粉は少し苦味がある。
息子はステロイドのシロップを服用しました。
このステロイドの副作用に多尿があるんですが、この日の夜は就寝中になんと6回もトイレに行っていました。
ステロイド剤を大量に飲むという事で抵抗がある親御さんも多いそうですが、急性的な腫れを取り去るために必要な治療で1回だけの服用になります。
副作用よりも薬によるメリットの方が断然大きいです。
さいごに
今回はたまたまクループを知っていたためすぐに行動できました。
もしクループの存在を知らなかったら、恐らく一晩様子を見ていたと思います。
それで特に何もなく治ってしまえば良い事なんですけど、それはもう結果論でしかありません。
以前、梨花さんの息子さんがクループで呼吸困難になった際、救急車を呼んだのにも関わらず受け入れ先の病院が決まらず、梨花さんご自身が以前息子さんがクループで掛かった事がある病院を伝え、そこで受け入れてもらえることになった、という話もありましたね。
無駄に色んな知識をつけて騒ぎ立てるのはちょっとなぁと思いますけど、でも子どもの様子を冷静に医師に伝える事は本当に大切なんだな、と感じた出来事でした。