幼稚園が認定こども園に変わったら何がどう違うのか、実際に幼稚園から幼稚園型認定こども園に変わった園に通わせた体験談を元に、入園料やカリキュラム、メリットデメリットや専業主婦が損をする説をわかりやすく解説します。
私の住まいの区市町村にはいわゆる公立幼稚園はなく、私が子どもを入園させたいと思っていた幼稚園は私立幼稚園でした。
私立幼稚園なので入園金は10万円ほど。
制服ありの幼稚園なので他に制服代が5万円ほどかかり、私が専業主婦でお金に余裕がなかった我が家にとって予め準備をしておかなくてはならない出費でした。
ところがいざ入園準備を進めていくうち、幼稚園が「認定こども園」というものに変わっていたのです。
っていうか認定こども園ってナニ〜!!
当時はこの制度ができたばかりという事もあって、調べても調べても難しい事しか書いていず大混乱。
私はあの幼稚園の教育方針が好きで入園させたかったのに、認定こども園に変わったらカリキュラムも変わってしまうの?お金の問題はどうなるの?ねぇ私の場合はどうなるの???
…という疑問にこの記事ではお答えしていきたいと思います。
なお、執筆時点での情報であること、自治体により多少違いがあることをご了承下さい。
それと、すべての情報を網羅するとわかりにくくなってしまうため、この記事では私の子が入園した「幼稚園型認定こども園」を想定した解説となっています。
- 幼保連携型
- 保育所型
- 地方裁量型
以上のこども園については必ずしも当てはまるものではありません。
それではどうぞ。
幼稚園型認定こども園とは?普通の幼稚園との違い
それではまず、私立幼稚園と幼稚園型認定こども園の違いを解説していきます。
わかりやすさ重視のため、名称など厳密には違う点があるかも知れないのと、自治体により違いがあるかも知れない点はご了承下さい。
私立幼稚園 | 幼稚園型認定こども園 |
---|---|
認定は新1号 (必要な人だけ新2号) | 認定は1号・2号 (必要な人だけ新2号) |
保育料は月27,500円まで無償化 | 保育料は無償化 |
園独自の入園金や面接・選考がある | 1号は園選考、2号は自治体選考 |
それぞれ認定と無償化内容が違う
まず私立幼稚園は自動的に「新1号認定」が適用になって、月額27,500円まで保育料が無償化となります。
保育料は園が決めるものなので、中には5万円かかる〜なんていう園もありますが、27,500円を超える差額は保護者負担です。
私立幼稚園に通わせながらお仕事をしたい人は、新2号認定を受ければ月額11,300円まで預かり保育料が無償化になります。
認定こども園は「1号認定」か「2号認定」どちらかの認定になります。
希望がなければ1号認定での入園になり、希望者は2号認定で申請をして自治体選考で入園可になれば2号認定で入園できるという流れ。
保育料部分は全額無償化対象です。(ただし実費自己負担分は無償化対象外)
入園金や選考が違う
私の子どもが入園した園では、私立時代の入園料が10万円でしたが、認定こども園になり入園料という名目のものがなくなり、入園選考料が5,000円のみとなりました。
近隣の幼稚園はこども園に移行した後も入園準備金として4万円かかる園もあれば、何もかからない園もあり、園により名目や金額は様々なようです。
確認した限りでは、私立幼稚園より認定こども園の方が入園の際にかかる費用が少ない園が多いです。
ただこれは園により様々なので、一概にこども園のほうが少ないとも言い切れないですけども。
また、選考に関しても私立幼稚園と認定こども園では違いがありますね。
私立幼稚園の場合は入園選考を園で行うお子さんだけが入園しますよね。
お受験必須の幼稚園もあるし、ある程度の時間自由に過ごさせて入園選考を行う園もあれば、面接比重が大きい園もあります。
園の雰囲気や方針に著しく合わないご家庭は入園できない事もあるでしょう。
幼稚園型認定こども園の場合は1号認定児は園の選考で入園が決まりますが、2号認定児は自治体の選考で入園し、1号・2号が混在しています。
多様性に違いが
私立幼稚園は園の教育方針にある程度賛同できるご家庭で、かつある程度の入園金が用意でき、そして園の選考をクリアしているお子さんだけが幼稚園に入園できます。
わかりやすく言えば、入園金が何十万とかかるようなセレブ幼稚園にはそれ相応の富裕層しかいないし、お受験がある園には受験ができる家庭環境のお子さんしかいない、幼稚園の方針に沿った家庭だけがいるという事になりますね。
認定こども園になると、2号認定で入園するお子さんは自治体が入園を選考します。
自治体は2号認定での入園を希望する人の優先度により選考を行うので、(ある程度希望は出すものの)すべてのご家庭が園の方針に賛同しているとは限らないし、良い悪いではなく家庭環境も多様化します。
公立の小学校に近い感じですね◎
私立幼稚園が認定こども園に変わったら?
幼稚園型認定こども園は、日中する事は基本的に幼稚園と一緒です。
共働き家庭など、今までは時間の都合で保育園にしか預ける事が出来なかったご家庭のお子さん(2号認定児)も、時間外保育を使って日中は幼稚園で幼児教育を受ける事が出来る、こんなイメージです。
もともと幼稚園として入園させたかった専業主婦家庭にとって、気にするほどの変化はないし、しいてあげるとすれば、延長保育や預かり保育の子が増えた、みたいな感じ。
のちほどカリキュラムや1日の流れで詳しくお話していきますが、幼稚園時間の14:00までは幼稚園みたいに過ごして、その後2号認定の子どもと、新2号認定の子がこども園部屋(今まで延長保育部屋だった)に集合して時間まで保育を受けます。
幼稚園と認定こども園、カリキュラムの違いやクラス分け
では、幼稚園と認定こども園でカリキュラムの違いや、1号認定児と2号認定児でクラス分けがどうなっているのかお話していきますね。
まず、私の子どもが通っていたこども園での1日の流れです。
朝の保育が必要な2号児は、朝8:00にこども園部屋に登園します。
2号認定児でも朝の保育が不要だったり、園バスを利用する場合は1号認定と同じように登園します。
9:00に登園してくる1号児と合わせて、2号児は自分のクラスに移動して1号児と合流します。
1号児・2号児ともに自分のクラスでカリキュラムを受けます。
14:00に1号児が降園すると、2号児は朝も過ごしていたこども園部屋に移動します。
年少〜年長まで、2号児が全員集合して保育を受けます。
こども園部屋には、1号児・新2号児で延長保育を利用する子も集まります。
2号児はおやつが出ます。
保育短時間の2号児が降園。
保育標準時間の2号児が降園。
以上が1日の流れです。
背景がブルーの部分がこども園になって変わったところです。
同じクラスに1号・2号が混在する
幼稚園型認定こども園は1号認定児と2号認定児が同じ園に通う事になるので、クラス分けとかどうなるんだろう?と思っていたんですが、
1号・2号でクラスが分かれるわけではなくて、同じクラスの中に1号・2号が混在しています(私のこどもの園の場合)。
子どもたちの間で1号の子2号の子みたいな認識は特になく、ただ「◯◯ちゃんはこども園に行く」とかそういう認識でした◎
制服もカリキュラムも一緒
1号児も2号児も、制服も一緒だしカリキュラムも一緒です。
全員で幼稚園のカリキュラムを受け、2号児は14:00以降は保育を受けるという感じですね。
次章で、私立幼稚園がこども園に変わったらどうなのか、について解説します◎
認定こども園は専業主婦が損をするは嘘、メリットが大きい
こども園の制度ができた際「認定こども園は専業主婦が損をする」という説がまことしやかに囁かれていました。
私が実際に幼稚園型認定こども園に子どもを入園させてみて、それは全くの嘘だと言えます♡
働いている人のほうがこども園のメリットを享受できるけど
確かに、私立幼稚園が認定こども園に変わるメリットは、専業主婦家庭よりも共働き家庭の方が大きい事は確か。
幼稚園のカリキュラムを受けながら14:00以降は同じ園の中で保育を受けることができるので、フルタイムで働いて幼稚園に通わせたかったママにとっては幼稚園がこども園になるメリットが大きいです。
でもだからといって「専業主婦世帯が損をする」というわけではありません。
専業主婦世帯は今まで通り幼稚園感覚で子どもを通わせることができるし、実際何も変わらないです◎
私は入園した時に求職中2号認定を受けましたけど専業主婦だったし、専業主婦の私でもこども園になった事によるメリットを感じることが多かったです。
高額な入園金が浮いた
先にお話したように、私の子どもが入園した園は入園金が10万円でしたが、こども園になって選考料5,000円というものに変わっていました。
近隣の幼稚園からこども園に変わった園も、すべてを確認したわけじゃないですけど「入園金」というものはなくなったか、私立幼稚園の時と比べて安くなっています。
お受験があるような幼稚園に入れるなら高額な入園金も納得できますけども、人気園とはいえ普通の家庭が通わせる幼稚園なのに10万円の出費って、地味に痛いですよね…
認定こども園になった事で入園金が安くなったのは専業主婦世帯にとってもメリットではないでしょうか♡
預かり保育・延長保育に預けやすくなった
幼稚園だと延長保育を利用する子の数が少なく、クラスの中で自分だけが延長保育を利用する事を嫌がる子も、
こども園になり2号児のお友だちがこども園クラスに残るので、延長保育・預かり保育に預けやすくなったというママも多いです。
そうしょっちゅう預かり保育を利用するわけでなくても、預ける宛が全くないのと1つでもあるのとでは精神的な余裕が違いますからね…
いずれ仕事に出たい人も柔軟に動ける
そして、こども園はいずれ仕事に出たいと考えている人にとってもメリットが大きいです。
今では私立幼稚園でも新2号認定(預かり保育無償化)を受けて仕事をしやすくなりましたけど、普通の私立幼稚園だとお仕事をしていないママの方が多く、役員や係など、園と保護者の関わりを重視している園もありますしね…
その点こども園だと2号児のママの殆どがお仕事をされているし、1号認定でお仕事をしているママもいるので理解を得やすいです◎
今お仕事に出る予定がない方も、今の時代どんな事で家庭の経済状況が逼迫するかはわかりません。
私立幼稚園では2号認定を取得できないので、ゆくゆくがっつり仕事をしたい人にとってもこども園はメリットが大きいです。
私立幼稚園が認定こども園に変わるデメリットは
では逆に、認定こども園のデメリットは何なのかをまとめます。
せっかくその園の方針や雰囲気を気に入って入園させようと思っていたのに、その園が認定こども園になってガラッと変わってしまうのでは…困りますからね。
私の子どもが入園した園は、私立幼稚園から認定こども園に変わりましたので、お兄ちゃんお姉ちゃんは私立時代に在園していて、下の子が認定こども園になってから入園、というご家庭が多いんです。
そういうママ達から実際に聞いた話をあげてみますね。
- 私立だった頃と雰囲気が変わった。
- 色んなタイプの保護者が増えた。
以上の2つが多い声でした。
デメリットに関しては特に、感じ方は人それぞれだと思うので、あくまでも参考程度に…
私立幼稚園だった頃と雰囲気が変わった
私立幼稚園の頃と違い多様化する事はもうお話しましたが、雰囲気が変わったというママがけっこういましたね。
これはこの後お話する、”色んなタイプの保護者が増えた”に繋がる事なんですけども、今まではある程度同じような家庭環境の子が集まっていたわけなので、自治体選考で入園が決まる子がいるこども園になると雰囲気が多少変わるのはあって当然かなと…
色んなタイプの保護者が増えた
幼稚園だったころは、ある程度、似通ったご家庭ばかりだったのに、こども園に変わってからは色んなタイプの保護者の方が増えたという事はよく耳にしました。
自然派幼稚園には自然派ママが多かっただろうし、お勉強園にはお勉強ママが多かっただろうし、のびのび園にはのびのび育てたいママが多い、これが私立幼稚園だと思うんですけど、
「第1希望も第2希望も落とされて、仕方なくここに通わせている」というご家庭が入園してくることは確かだし、2号認定はママがお仕事をされている以外にも色んな要件があるのです。
これの何がデメリットかというと、幼稚園の方針を気に入って入園させるご家庭が殆どの場合、各行事でもルールをしっかり守る方が多いんですよね。
でもこども園になるとそういうご家庭ばかりではなくなるということでしょうか。
幼稚園と認定こども園ってどう違う?専業主婦は損をするは嘘、体験談で解説、さいごに
幼稚園と認定こども園の違いや、私立幼稚園がこども園に変わったらどうなるの?という疑問について解説しました。
幼稚園選びのヒントになれば幸いです!